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「HySE-X2」 ダカール2025“Mission1000 ACT 2”で全コース完走 !
- 昨年の課題を克服し、クラス2位を獲得 新たな技術課題も -
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技術研究組合「水素小型モビリティ・エンジン研究組合」(HySE: Hydrogen Small mobility & Engine
technology)は、水素小型モビリティの課題抽出を目的として、「ダカール2025(ダカールラリー※1)」のカテゴリー “Mission 1000 ACT
2※2”に、研究用モーターサイクル水素エンジンを搭載した「HySE-X2」で出場し、最終日まで全てのステージを完走し、クラス2位となりました。
2回目となる今回の参加では、2024年の参加で確認された技術課題に挑戦するため、高回転域の出力特性向上や低中回転域での燃費改善、水素タンクの増設など、HySE-X1からエンジンおよび車体をさらに進化させた「HySE-X2」を投入しました。全世界が注目するダカールラリーにおいて、「HySE-X2」が世界一過酷と言われる気象条件下でグラウンドコンディションが様々に変化する難コースを完走する中で、技術課題に対する研究の実証に成功するとともに、今後の研究につながる有用なデータや新たな課題を確認することができました。
HySEは今後とも、水素エンジンの基盤技術構築を目的とした研究活動を推進していくとともに、小型水素モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を超えた仲間づくりに取り組みます。
- ダカールラリーは、1978 年から毎年開催されている砂漠から泥濘地、山岳地帯などを走破するラリーレイド。 2020 年からは中東・サウジアラビアで開催されている。
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水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなど、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレインの
技術開発を自動車メーカーに促すカテゴリー。
コース総走行距離は約1,000km(約100km x 10日間)。
「水素エンジンの課題抽出と全距離完全走破を目標に航続距離とエンジン出力を向上させた「HySE-X2」で2025年のダカールラリーへ挑みました。
昨年11月までに実施したテストでは問題無く性能を発揮することを確認できていましたが、本番直前にサウジアラビア
でテストを行った際に環境変化による問題が発生し、スタート前にエンジンを2機壊してしまうという大トラブルを起こし
てしまいました。残された最後のエンジンでラリー開始直前まで対策を行い、何とか走り出すことができました。
ラリー期間中は研究目的を果たすために、日々調整を行いながら性能の限界を追求し、限界まで攻めることができる
ようにステージの状況に合わせて燃料消費や出力特性の作戦を立てて日々のレースにのぞみました。
その結果、最終日まで全距離完全走破の目標を達成し、研究成果を実証することができ、昨年より大幅に獲得点数を
伸ばすことができました。また、出力を向上させたことにより、これまでに経験できなかった新たな課題抽出もできました。
ダカールラリーという過酷なレースではエンジン性能だけでは完全走破はかないません。ドライバー、コ・ドライバーの技術は
もちろん、メカニックや参加スタッフ、組合員の支援あってこその結果だと思っています。
ご声援、ご支援をいただいた方々へ感謝申し上げます。またダカール2025への参加にあたり、ご後援をいただきました
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とHySE-X2専用タイヤを開発・提供いただきましたTOYO TIRESにお礼申し上げます。」
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